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前ページ次ページジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア 27.森の人組合 怒って出てきてしまったけれど、今思えばあそこにはテファがいた。 ああ、なにやってんだい私は。こんな感情なんか忘れて、 あの子の為に生きようって…出来る訳無いんだけどねぇ。 何であたしの家族が殺されなきゃならなかったんだい? ああ、くそったれ。 タルブ近くの草原地帯。ブドウの名産地に隣接する様にオレンジの木々が植えられている。 何でも、オレンと言う名の男が伝えたらしいこれらは、とても美味しい事で有名だ。 どうにも出来ぬもやもやした感情を持ったまま、マチルダはオレンジの木々の間を進む。 「ちょっと、そこのお姐さん」 うん?と声の方を向く。盗賊用の仕事着とは違う服を着たシエスタ-仲間内ではスケイル-がいた。 「何してんだい?皆を手伝った方が良いんじゃないのかい?」 「私はスケイルではありません。森の人組合の者です」 明らかに声を変えようと頑張っている。あーはいはい。と気の無い返事をして、 マチルダは言った。 「んじゃ何なのさ。緑化運動でもしてるのかい?」 「ある意味、そうとも言えます」 森の人組合(Forester Guild)。タムリエルでは知らぬ者のいない組合組織である。 だが、このままの名前ではそれが何かは全く分からないだろう。 これについては、タムリエルの言語を少し理解しないといけない。 現在、一般的に用いられているタムリエル公用語、すなわちシロディール語は英語である。 何故か?さぁて、元のことばをどこかの神様が持ってきたのだろう。 あんな連中だ。不可能ではない。実際エスペラントの本がタムリエルの一部で確認されている。 これにはドワーフとは違う、深き者(Deep One)と呼ばれる謎の神が関わっている。 正体が完全に不明であり、帝都軍がこの神格の住居に繋がる洞穴を崩したため、 どの様な存在かは分かっていない。だが、おそらくこの存在は地球にいた事がある。 何故かと言うと、その本の内容からありえない記述がいくつも発見できるからだ。 話を戻そう。しかしシロディール語はあくまでシロディールのことばである。 タムリエルには多くの種族が住む。大別して人間、エルフ、そして一般的にビーストと呼ばれる亜人の獣種の三つだ。 当然、喋る言葉が違う。特に顕著なのは獣種の一つ、トカゲ人間の「アルゴニアン」と呼ばれる種で、 この種の独特の言語は、彼ら以外には理解できないシュー、シュー等と表す特徴的な息の音などで話していたりする。 しかし、それは彼らの出身地である「ブラックマーシュ」内のみの話で、他の地域でその話し方に出会う事は滅多にない。 他の種族もアルゴニアン程ではないが、アルファベットを用いて微妙にシロディール語とは違う、 独特の言語を造りだしている。やはり獣種である猫人の「カジート」の言葉は、 作者不明である『アジル・トラジジャゼリ』に詳しい。 一度読んでいただきたい。そして本を置いて早急にやっちゃっていただきたい。 何を?さて、彼らの気風は猫そのもの。勝手気ままに生きている。 「浮気娘でもやんちゃ坊主でもとっつかまえるといい」(9p)のだそうだ。 さて、獣種の言葉の変わり具合は理解されたと思われるが、ではエルフと人はどうか? 実際の所それほどまでは変わらないが、エルフであれ人であれ種族が細分化している。 特に分かりやすいのがハイエルフとダークエルフだ。肌の色から違う。 森の人組合はダークエルフの言葉で書いて、ようやくその意味を理解する事ができる。 すなわち、モラグ・トング(Morag Tong)。モラグが森の人を意味し、トングが組み合いを意味する。 尚、Moragのrをlに変えると火(Fire)になってしまうので注意が必要だ。 おそらく、子供のダークエルフはここら辺を試験で間違えるのだろう。 では本題に入ろう。このモラグ・トングとはどの様な組織か。 すなわち、政府公認の暗殺組織なのだ。 「はいはい、わかったわかった」 信じる気一切無し。マチルダはそこらのオレンジをひっつかんで食べ始めた。 なんでも、このオレンジも彼女の曾祖父が持ってきた事から始まったらしい。 表の家業と言う奴なんだそうだ。 「ちょっとー。本気ですよ私。私の技は全部曾おじいちゃんから教えてもらったんですから」 「じゃあ、あんたのひいおじいさんもそのモグラ何とかっていうのに入ってたのかい?」 う、とシエスタは口を詰まらせた。 「えーと、それと敵対していたっていうか…」 「敵までいるのかい?参考になるねぇ」 もぐもぐしながらマチルダは言った。 タムリエルとかもーどうでもいいから。 狐が現れてからこっち、そんな気持ちで一杯である。 モラグ・トング。モロウウインド政府公認のお墨付を持ち、不義を許さぬ暗殺者達の組合である。 素早く、華麗に。決して対象者以外を殺さず、そして誰にも気づかれぬまま仕事をこなす。 最も特徴的な点は、いくら金を積まれようとも決して内部情報を明かさない事と、 何があっても「悪」で無い者を殺す依頼を引き受けない事。あくまで不義を受けた者達への、 救済者としてこのギルドは存在しているのだ。 情報がほとんど手に入らない為、この組織が本当にこうなのかは分からない。 一般的にそう言われているだけだ。 では、その敵対組織とは? 最悪の快楽殺人鬼集団「闇の一党」(Dark Brotherhood)。 元はモラグ・トングに所属していたメンバーが、 そのやり方に異を唱えて脱退して造られたと言われる集団である。 これに属する者達の生い立ちはあまり良く分かっていない。 闇に生きる七人について書かれた物語を読むと、 これらが間違いだと思われるかもしれない。 どちらが正しいか?それは私には分からない。 だが、これらの見解も「闇の一党」の性質の一端を表していると信じたい。 一応、この組織にはモラグ・トングの理念が多少は残っている。だが、 それは努力義務であり、珍しいマジック・アイテムを渡すから、 静かに殺してきてくれ。というのが常態化した連中なのだ。 もちろん、破ってきてもかまいやしない。報酬の金はもらえる。 そして、この連中は誰であろうと金さえ積まれたら殺す。 あるオーク(彼の地では普通にエルフ族として認知されている!)の男は、 6歳の可愛らしい女の子を7歳の誕生日に殺した事を笑いながら話したし、 何の罪も無い老人を、事故に見せかけて暗殺するのもよくある依頼だ。 さらには、ちょっとした取引で取引相手の偽装殺人まで請け負う。 理念もモラルも何もない、本当にどうしようもない連中なのだ。 ちなみに、こいつらが信仰している神様はシシス。 混沌を表す何かといわれている蛇の形をした神である。 「…何でそんな所に入ってたんだい?」 「何か酔った勢いで人を殺したらその日の晩に勧誘が来たとか何とか…」 あんまり教えてくれませんでしたけどね。汚点だって。 オレン。歴史の闇に消えた彼はある恐ろしい経験により、 目が覚めた人物である。どのような事が起こったか――? 「浄化」といわれる、裏切り者が仲間内にいると「思われる」時、 その裏切り者がいる支部の暗殺者達を皆殺しにする儀式である。 本当にいるかは分からない。いると上層部に疑われるだけで皆、殺されてしまう。 滅多にしないとはいえ、人事管理まで放棄しているようだ。 無実の彼は運良く逃げ延び、気が付けばこの地にやって来ていたらしい。 そして己の愚かさを恥じ、真っ当な人間として生きて、ここで静かに生涯を終えた。 彼に殺された者達は多い。そしてその事は彼の心に常につきまっていた。 死した現在、彼は殺した者達の魂に囲まれていることだろう。 闇の一党を離反したオレンは裏切り者となってしまった。 もはや庇護してくれる神などどこにもいないのだ。 そして彼らは彼をどうしているのか――それは誰にも分からない。 この子が本当にそれをする気があるのかどうかは別にして、 心配してくれているのは良く分かった。だからこそ、 そんな事させる訳にはいかないねぇ。 マチルダはそう思い、初仕事だと少し張り切り気味の森の人に言った。 「あー、その、お心使いあんがとさん。でも、何ていうかねぇ?」 殺したいけども、殺したら殺したでさ。そう言ってマチルダは力無く笑う。 『えー!殺してもらいなよぅ。楽しいからさー』 はい?今の声は何だ。この独特な声は人の物では無い事を二人は良く知っている。 背後を振り向く。四つの腕を持つ、女「っぽい」、その存在を人間として認めたくない何かが立っていた。 青白い肌にへそを出した黒紫の上下。頭にはセンスがあんまりよろしくない帽子を被っている。 「あー…ノクターナルの親戚か何かかい?」 『あんなのと一緒にする気ぃ!?ああ、全くこれだから無知で馬鹿な小さい者達は…』 カチンと来たが、ちょっと落ち着こうと努力する。こいつらに人間の考え方は通用しない。 マチルダがクールダウンしている間にシエスタが聞いてみた。 「もしかして…メファーラ様?」 『なーんだ。知ってるじゃない。私の造ったモラグ・トングを誉めてくれてありがと』 モラグ・トングがいつ出来たか?詳しい事は分からないが、このメファーラが創設に関与した。 という話は良く知られる事である。彼らは今も彼女…という事にしておこう。彼女を信仰している。 「えーと、ノクターナル様はここに来るには色々条件があるって」 『制約でしょ。シシスおじさんに頼んだら普通に入れるよ?まーあんまり良い顔してくれないけどねー アカトシュがうっさいから面倒だって。あの不思議ちゃんはおじさんの事怖がってるからねぇ』 ここって一体何なんだい。ていうかシシスって誰だ。あれは仲間内でもそういう風に見られているのか。 マチルダはこの変な連中を一掃してしまいたい気に駆られながら、冷静になろうと努力していた。 『それに入れるってだけで、自分の力使えませんけどねー。いいけど。私自分から動くの苦手だし。 それよりさ!王様殺っちゃうんでしょ?早く殺っちゃってきなさいよ。依頼書なら書いたげるからさー!』 何だろう。イメージが違う。シエスタは義の暗殺組織を造った割には、 随分軽い感じの彼女をじっと見た。見つめられたメファーラは怒気をはらんで言った。 『こちとらストレス溜まってんのよ!何よヴィヴェックの馬鹿!!あの蛇のポテト何とかを殺させた時、 「やり過ぎです」とか訳わかんないわよ!私が人の殺し方あいつらに教えてなかったら今頃皆死んでいたって言うのにさ! あー全く。腹立たしいったらありゃしない。今のモラグだってそうよ。何?「勝手に注文取ってる奴がいるからどうにか して下さい」って。いいじゃん放っておいてさー。むしろそっちの方がおもしろくなりそうだってのに。 でもそうなってくるとまた潰されてしまうかしらねー…』 ブツブツ文句を言い続ける。あー、やっぱりノクターナル様と同じみたいな感じなんでしょうか。 そう思いながらシエスタはとりあえず話しかけた。 「えーと?」 『こっちの話。あなた達は気にしなくて良いの。さ、殺るの?殺らないの?』 四つの腕を器用に組みながらメファーラは言った。 ポテト何とか。正確にはポテンテイト・ヴェルシュデュ・シャイエ。 もう大昔になるが、タムリエル帝国を乗っ取った蛇人間である。 ドラゴンファイアを灯すには、皇帝に聖アレッシアの血が流れていないといけない。 その為、この時代は色々とデイドラ絡みの問題が多かったが、それはまた別の話だ。 さて、このポテンテイトの暗殺の依頼が入ったとき、メファーラは面白い事を考えた。 名前残しをしたら私らの株上がるんじゃないの?こいつ結構外道だし。 そんな訳で担当していた連中に指示。蛇人(ツァエシ)の血で壁にモラグ・トングの名を書いたのだ。 結果――本拠地であるモロウウインド以外の国でのモラグ・トング全面禁止。 当たり前といえば、あまりに当たり前すぎる結末である。メファーラは今も理解出来ていないが。 デイドラは信仰の力を糧とする。それが無くても活動は出来るが、 タムリエルへの介入がとてもし辛くなり、とっても暇になってしまうのだ。 デイドラの王子達にとって、暇こそ死に等しき事である。 メファーラはモロウウインドに、自分の組合の存続を頼み込んだ。 小さい者、定命の存在と普段彼らは人等を嘲っている様に見えるが、 それはサハラのエルフが「蛮人」と言う様な物で、 実際の所そこまで過小評価もしていない。 あくまで「楽しいことをやってくれるおもしろい連中」。 それが、大抵の神々が思う定命の存在達への評価だろう。エイドラであれ、デイドラであれ。 モロウウインドはメファーラに恩がある為、存続させてあげた。 ただし、事を起こしたメンバーの脱退と、正義の暗殺組織としての活動を強要して。 実際の所、闇の一党って良いな。とか思っていたりするメファーラだった。 彼女(両性具有なのでどちらでも良いのだが、敢えて彼女)は、 司る物がなかなか素敵である。基本的に人間にちょっかいをかける事が大好きなのもあるが、 性愛、暗殺、そして密約…これらを司っている彼女は、 暇つぶしに人間で遊ぶデイドラ王子や主の中でも、相当遊んでいる方である。 だが、自ら手を出すのは面白くない。すぐに片が付いてしまうからだ。 だからこそ、小さき存在を使って遊ぶ。殺し合い等を上手い具合に誘発させて。 「殺りません」 何かこの雰囲気でそれをやっちゃうといけない気がしてきた。 そもそもモラグ・トングは悪かどうかを判断する為の材料を徹底的に用意するらしいし。 感情だけで動くのはダメですよね。そう思って発言を撤回する。 マチルダはほっと息をついた。 『つまんないのー。まぁいいわ。糸を紡ぎたくなったらまたお呼びなさいな。 我は運命の糸を紡ぐ者。命の糸を巻いて行くのよ。がんばりなさいシエスタ!』 エールだか何だか良く分からない言葉を残してメファーラは消え去った。 「なぁ、スケイル」 「はぁ、なんでしょうか」 「なんであんた名前で呼ばれてるんだい?」 シエスタはため息を吐いて言った。 「一応親族らしいですよ?何か曾おじいちゃんはシシスの子って事になってるそうですから」 「はぁ。大変だねぇあんたも」 闇の一党に一度でも属した者は皆シシスの子。すなわちデイドラに名前を覚えてもらえる特典が付く…らしい。 もっとも、シエスタの曾祖父は離反した。つまり勘当息子である。しかし孫、曾孫と言うのは、 どんなのでも可愛いものである。おそらくシエスタはシシスに見守られているのだろう。 本人は絶対嫌だろうけれど。 『てゆーか、今回来た理由ってそれじゃないしねー』 鼻歌まじりで言いながら、自分の領域に帰ってきたメファーラは言った。 『あの青い髪の子良いじゃない!天性の物持ってるわ。こりゃあ遊びがいがあるわねー』 暗殺者を育てた神だからこそ持っている素質を見極める力。それにタバサがびびっと来た。 『あの子って叔父さん殺したがってるみたいね…でもまだ迷いがあるわねぇ…面倒くさいなー 殺りたいなら殺っちゃえばいいのに…弱いからかな?ならアイツにちょっと頼んでみようかなぁ』 あいつ、それは復讐を司るデイドラの主。基本的に大抵のデイドラ王子と主に嫌われている。 だって臭いから。けれど彼女はそうでもない。暗殺と復讐。 その共通点はどちらとも弱者がしやすい行為であるということ。 そしてメファーラは弱き者が強き者を倒す事を最も好む。 出来うる限り血みどろであれば尚良い。心が躍る。 その次に好きなのが友と呼び合う仲の連中が殺し合っている様を見ることだ。 こんな外道だが、何故か良いデイドラとしてモロウウインドでは知られている。 ダークエルフは彼女に暗殺術を教えてもらったおかげで、 今も生きることが出来ている。昔、彼らの領地は小さくとても弱かった。 そして多数の侵略者から身を守らなければならなかったのだ。 彼女の力が無ければ、今はタムリエルにダークエルフという種はいなかっただろう。 『マラキャスの宮殿は塵で汚れるから行きたくないけど、楽しいことがあるなら別問題よねぇ? 最近お気に入りの「メイス」も戻ってきたらしいし』 ふーんふーんと歌いながら自分の領域を後にする。 タバサの運命の糸が黒い方へと力一杯ねじ曲がりつつあるようだ。 だが、いつだって夜空の女王「アズラ」は見守っている。 見守っているだけともいえる。 所戻って家の中一階。マーティンがデルフをなだめ、 落ち着きを取り戻そうとしている中、ルイズがポツリと言った。 「私、魔法使えたのよね?」 物に込められた記憶を読むリコード。即ち『虚無』の魔法が使えた。 今まであまりに長い間魔法が使えなかったので、使ったという感覚が沸かない。 しかし、確かにあの世界を、ブリミルが奥さんに吹っ飛ばされる世界を見た。 ならば、これで、これで私は… さっきテファについて聞こうとした事はすっかり忘れている。 魔法が使えたという大事の前には、他は些細な事なのだ。 「ああ、使えたとも。よければ他の魔法を使ってみよう。 おそらく成功するはずだよ」 おめでとうルイズ。微笑んだマーティンの目はそう語った。 ルイズも自信を持って言える。これからはメイジと名乗っても、 誰も文句は言わないと。 「ええ!じゃあ、簡単な錬金から――」 「スタァァァァップ!!」 上で扉に張り付いていたグレイ・フォックス。 彼は一連の流れを聞いていたのだろうか、階段から大声で叫んだ。 その場にいた皆が唖然とする中、ただマーティンは吹き出した。 「どうしたの?マーティン」 「い、いや。まさか、ここでその言葉を聞けるとは、思っていなかったからね」 くくく、と腹を抱えて笑っている。どうにも相当ツボにはまった様だ。 「ええ。確かにこれは挨拶の様な物ですからね。 シロディールにいるなら誰もが一度は聞いているでしょう」 挨拶か。今度使ってみようかしら。 フォックスの説明は間違った解釈だが、彼女はタムリエルへ行く機会が無いから問題はないだろう。 「ああ。で、だ。ミス・ヴァリエール。簡単なのはダメだ。出来るだけ難しいのを。『遍在』とか」 身を持ってフォックスは何が起こるか知っていた。 オルゴールを持って来てテファに聞かせてから、 彼女が系統呪文で何を起こしたか。 それまで彼女は忘却の呪文しか使えなかった。 オルゴールの歌の最後の声があまりに怖く、 一度しか聞いた事がなかったからかもしれない。 まず家が壊れた。そして村が壊れた。しかし数秒で直せた。 「えー。出来るわけないじゃない」 「いえ出来ます。大丈夫ですルイズさん」 テファは身を持って知っている。この力は紛れもなく危険だと。 だからあんまり使わない。滅多な事で使えない。 コントロールが効かないから。 まだ先住魔法の方が圧倒的に使いやすいのだ。 「むー…分かったわ。それじゃ――」 「スタァァァップ!お願いだから外でやってくれ」 一々うるさいわねぇ。そう思いながらルイズとマーティンは外へ出て行った。 前ページ次ページジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア
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ラプンツェル スペック表 正式名称 ラプンツェル 分類 焦土戦術用第一世代 用途 広域破壊兵器 所属 『資本企業』(オブジェクト製作元:NBCコーポレーション) 全長 130m(うち主砲全長55m) 最高速度 530km/h 推進機関 キャタピラ式推進システム 装甲 5cm厚×200層 主砲 遠距離狙撃改造型多薬室実弾砲 副砲 クラスター爆弾、施設破壊用投箭砲、レーザー、コイルガン 搭乗者 シャーリー=ルシアン その他 メインカラーリング:白 解説 『資本企業』所属諜報機関『アルカナ』ランク16位『塔』のエリートが搭乗する第一世代オブジェクト。 『アルカナ』の構成員は「女帝」と「愚者」の二人を除いて『諜報員』と『エリート』の二人一組で行動するようになっている。 オブジェクトの特徴は豪雨の如く鋼の鏃を上空からぶちまける施設破壊用投箭砲やクラスター爆弾など、広範囲に破壊を振り撒くことに特化していること。 こうした武装により敵ベースゾーンの壊滅、またクラスター爆弾の『不具合』による不発弾などによる再建の妨害を得意とする。 また、主砲の遠距離狙撃改造型多薬室砲により敵レーダー外から一撃で葬り去る戦法も可能。 一方で対オブジェクトに関しては有効となる武装が少ない上、広域破壊に特化しているため味方を巻き込みかねないという弱点も持っている。 コンセプト 焦土戦術 特徴 長大な砲身の多薬室砲、クラスター爆弾などの『破壊力』に特化した機体 弱点 味方を巻き込む可能性が高い
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ピッピッピッポーン! は~い、DJユミプーのお送りする「ユミプ★ラジヲ」の時間ですよッ! 今日はスタジオカムナより公開生中継でお送りしま~す! 今回はですねッ、伝説の生物「タヌピラー」が ここカムナで目撃されたという事で! 生でユミプーが見つけてしまおうと現地にきていますけれども! もうすでに懸賞金目当てのハンターが結構集まっています! なんせタヌピラーは捕獲したら2,000,000,000メルの 懸賞金が貰えちゃいますからねぇ^^; ここカムナは我先に捕獲しようと、ハンターの熱気で布団も吹っ飛ぶッ! そんな勢いです! え~、早速、ハンターにインタビューしてみましょう! そこの黄色い髪のあなた! どうですか?タヌピラーはいましたか?? ハンター:ぇ~とぉ、さっきキュルキュルとキャタピラの音がぁ、 聞こえたんですぅ。ここら辺にいるかもぉ? おおっと!いきなり遭遇できそうな勢いです! 私も莫大な懸賞金を前に胸がどきどきしてます! …きゅるるっきゅるるっ ハンター:ぁあ~、いましたよぉ^^ Σホンマかいッ! いたー! \イキノビタイッ イキノビタイッ/ さ、早速捕まえてみましょう!エイッ!catch! …あれ?溶けた@@; ハンター:あぁ~、タヌピラーわぁ、指先で触れるとぉ そこからぁ、腐るんですよぉ~^^; うぁあああああ、2Gがぁああああああ;; \アニジャァ!!/ ということで今回は捕獲できなかったけど! タヌピラーは存在したことがわかりました! 皆さんもがんばって捕獲してみてはどうでしょうか! それじゃあ今日の「ユミプ★ラジヲ」はここまで! 次回までステイチューン!see you!★-(ゞω・´)
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キャラクター 連邦 パイロット アムロ セイラ・マス? カイ・シデン? ハヤト・コバヤシ リュウ・ホセイ? スレッガー・ロウ? オペレーター ブライト・ノア ミライ・ヤシマ? フラウ・ボゥ? セイラ・マス? マチルダ・アジャン? エゥーゴ パイロット カミーユ・ビダン クワトロ・バジーナ エマ・シーン レコア・ロンド? アポリー ロベルト アムロ・レイ ファ・ユイリィ? カツ・コバヤシ? ジュドー・アーシタ エルピー・プル オペレーター ブライト・ノア トーレス ヘンケン・ベッケナー ハヤト・コバヤシ ジオン パイロット シャア・アズナブル ララァ・スン? ランバ・ラル? マ・クベ ガルマ・ザビ? ドズル・ザビ ガイア オルテガ マッシュ ハマーン・カーン プルツー ハマーン オペレーター クラウレ・ハモン? ティターンズ パイロット ジェリド・メサ パプテマス・シロッコ マウアー・ファラオ ヤザン・ゲーブル ロザミア・バダム フォウ・ムラサメ? カクリコン・カクーラー ライラ・ミラ・ライラ ブラン・ブルダーク サラ・ザビアロフ? ダンケル・クーパー? ラムサス・ハサ? ロザミィ? エマ・シーン(ティターンズ) レコア・ロンド(ティターンズ) オペレーター ジャマイカン・ダニンガン ガディ・キンゼー
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連邦軍MS0079 MS名 SP 入手条件 制限 備考 ガンダム 格闘 プレイヤーが伍長になり、さらに「荒野の迅雷」をクリア プロトタイプガンダム 格闘 「ニュータイプの脅威」をSランク以上 ガンダム(MC) 一斉射撃 「星一号作戦」をクリア G-3ガンダム 格闘 「星一号作戦」をSランク以上 ガンダム4号機 超射撃 「強行突破作戦」をSランク以上 宇宙 ガンダム5号機 一斉射撃 「チェンバロ作戦」BルートをSランク以上 宇宙 マドロック 一斉射撃 「ジャブローに散る!」をSランク以上 地上 ホバー 陸戦型ガンダム 超射撃 「荒野の迅雷」、「黄昏の島々」、「雨のベルファスト」をクリア 地上 陸戦型ガンダム(GH) 一斉射撃 「ラスト・リゾート」をクリア? 地上 ガンダムEz-8 一斉射撃 「ラスト・リゾート」をSランク以上 地上 アレックス 一斉射撃 「ポケットの中の戦争」Sランク以上 フルアーマーガンダム 一斉射撃 「光る宇宙」をSランク以上 ガンキャノン 一斉射撃 「追撃!トリプルドム」、「ランバ・ラル特攻!」、「大西洋、血に染めて」のうちふたつをクリア ガンタンク 一斉射撃 「追撃!トリプルドム」、「ランバ・ラル特攻!」、「大西洋、血に染めて」のうちひとつをクリア。もしくは「ランバ・ラル特攻!」をAランククリア キャタピラ ブルーディスティニー1号機 特殊 「大西洋、血に染めて」をSランク以上、又は陸戦型ガンダムで10回出撃 OT/地上 EXAM ブルーディスティニー3号機 特殊 「裁かれし者」をSランク以上、又はブルーディスティニー1号機で10回出撃 OT EXAM ジム 格闘 初期ユニット ジム(WD) 格闘 「黄昏の島々」、「雨のベルファスト」のどちらかをクリア 陸戦型ジム 格闘 初期ユニット 地上 ジムコマンド 一斉射撃 ジムコマンド(S) 一斉射撃 ジムスナイパーⅡ 超射撃 「追撃!トリプルドム」、「ランバ・ラル特攻!」、「大西洋、血に染めて」をクリア ジムスナイパーⅡ(WD) 超射撃 ジムWDとジムスナで5回ずつ出撃(連邦ルートのみ) ボール 一斉射撃 宇宙 スラスター
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M.チルダース 本名 マシュー・ウィルキー・チルダース (Matthew Wilkie Childers) 1978年12月3日生 アメリカ合衆国ジョージア州ダグラス出身 右投右打 イーグルス在籍時の背番号は「50」 出遅れたためリストアップしていたとあるピッチャーの獲得に失敗し、その代わりに獲得した。 アメリカの選手としては珍しく、フォークボールを投げる。 3試合に登板し、防御率10.38の成績を残して一年でクビ。 ところで最初にリストアップしていた投手はというと、現在NPB某球団で不動のセットアッパーをつとめている……。 まあ「自分はこのチームに来て完成された」と語っているらしいので、仮にイーグルスへ来ていても活躍できていたかどうかは保証できない。
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前ページ次ページゴーストステップ・ゼロ アンリエッタを宿泊所へ送り届けたルイズが部屋に帰ると、ヒューが旅装を整えていた。 「ただいま、ヒュー。準備できた?」 「ああ、俺の方はな。今はルイズお嬢さんの分をやっている。」 「ねぇ、ヒュー。そんなに小さいバッグだとドレスが」 「いらないだろう。」 「そんなわけにはいかないわよ、一国の皇太子に会うのよ?」 「制服で大丈夫さ、今日も姫さんの前ではそれだったしな。 第一、こんな任務を受けるのなら、荷物は極力減らすべきだよ。ほら、終わりだ。 一応、3日分の下着と靴下、ブラウスと制服のスカート。保存食代わりのビスケット、それから水筒を入れてある。 ビスケットは非常用だからな、ティータイムだからって食うんじゃないぞ。」 「わ、判ってるわよ。」 小ぶりなリュックを机の上に置いて、中身の説明をするヒューに着替えながら返事をする。 ゴーストステップ・ゼロ シーン13 “Departure in morning haze / 朝靄の中の門出” シーンカード:カブキ(門出/完全なる偶然による状況の進展。善かれ悪しかれ。) さて、もう寝ようかとルイズがベッドに目を向けると、サイドテーブルに2つの見慣れない物が置いてあった。 一つは、黒板消しからスポンジを外した感じの黒い小箱、片方に金属部品が付いている。しかし、箱に見えるのに開く所はない。 もう一つは、L字型をした何か。短い方を持つ様になっているのか、滑り止めらしいものがついている。長い方の先端には穴が開いており、L字の内角には引き金らしきものがある。…これはもしかして、銃…だろうか。 「ねぇ、これ貴方のじゃない?」 「ん?ああ、それはルイズお嬢さん用に用意したヤツだ。」 「私用?」 「護身用の武器だよ。」 「何言ってるの、私はメイジよ?平民が使うような…」 「死ぬつもりは無いんだろう?だったら使えるものは何でも使うんだ。」 「ぶぅ…」 ヒューが告げた言葉に、思わず反発するルイズだったが、返ってきた言葉に口を噤まざるをえなくなった。 「こっちの黒い箱は<雷神>っていうスタンガン。要するに小さい雷を起こして相手を失神させたり痺れさせる事ができる。 もう一つのこれは、ハルケギニアの物とはかなり違うが、<タクシードライバー>っていう銃だ。装弾数は10発、威力は低いからなるべく近い状態。そうだな、できれば密着状態で不意打ちっぽくやれば、かなりの効果が期待できると思う。」 「どうやって使うの?」 ルイズは余計な質問は止めて、使用方法だけを聞いてくる。 そんな質問にヒューは一つずつ丁寧に教えていく。特に銃の使い方はしっかりと教え込んだ。 「判っているとは思うけど。」 「人に見せるな、人前では使うな、使う時は落ち着いて。でしょう?判っているわよ。」 「そう、知らなければ対応は遅れる、その分攻撃の命中率は上がるはずだ。」 「うん、十分気をつけるわ。じゃあもう寝ましょうか、明日も早いんだし。」 ヒューは、部屋の灯りを落とそうとするルイズの左手に、見覚えのない指輪を見つけて、奇妙に思い問いただした。 確か、部屋を出る前には指輪はしていなかったはずである。 「ところでルイズお嬢さん、その指輪は?」 「ああ、これ? 姫様から旅のお守りにって預かったの、トリステインの王家に代々伝わる“水のルビー”よ。 言っておくけど、置いていけなんて…」 「いや、できれば持って行ってくれ。」 てっきり反対されると思っていたルイズは、意外な言葉に吃驚した。 「ええっ、反対しないの?」 「しても無駄だろう。出来る事なら紛失防止と隠匿の為にも、鎖を通して首から下げていて欲しいんだが?」 「…そうね、万が一にも無くしてしまったら、姫様に申し開きができないわ。」 ヒューの意見に頷いたルイズは、サイドテーブルの中に保管してあるネックレスから、細いが丈夫そうな鎖を見繕って、それに指輪を通して、首から下げた。 「どうかしら?」 「いいんじゃないか、あまり目立たないしな。」 「そう、じゃあヒュー今度こそお休みなさい。」 そういうと、ルイズは部屋の灯りを落として、今度こそ眠りについた。 ルイズが眠りに落ちた頃、ヒューとデルフは小声で話をしていた。 「さて、図らずも指輪が手に入ったな。」 【ああ、いやなんていうか、偶然ってのは恐ろしいね。】 「そうだな、上手い事やってアルビオン王家の分も何とか回収しときたいところだ。 そういえばデルフ。」 【なんだい、相棒。】 「実際『虚無』っていうのは、どの程度の事が可能なんだ?」 【基本的には溜まっている精神力によるだろうな。『虚無』っていうのは、使う魔法で色々とやれる事が変わるからな、精神力さえあれば、一番初期の魔法でもかなりの事ができるんだ。】 「となると、最初にお嬢さんが覚える魔法如何で、何とかなるかもしれないということか。」 【そりゃあ、どういう意味だい相棒。】 「ルイズお嬢さんは、生まれてから今まで、俺の召喚と契約以外の魔法行使に悉く失敗しているという話だ。 だったら、お嬢さんには年単位で蓄積されている精神力が丸々残っているという事だろう?どれ位、溜めておけるのかは知らないが、かなりある事は間違い無いはずだ。」 【なるほどな、確かにその通りだ。ちっとは希望が見えてきたんじゃないのかい?】 「ほんの少しだけどな、流石に行き先の詳細な情報が無いのは辛い。」 【お嬢ちゃんは土地勘があるとか言ってなかったか?】 ヒューは、デルフの意見に首を振りながらダメ出しをする。 「信用できないな。病気がちな人間を含めた貴族の家族旅行だ。恐らく馬車か何かで移動しているはずだから、裏道や抜け道なんか知っているはずがないだろう。 しかも、行ったのは良くて数年前だろうし…。力を借りるか…」 【誰か心当たりでもいるのかい?】 「あんまり、気が乗らないけどな。」 そうデルフに告げると、ヒューはルイズの部屋から音も無く姿を消した。 学院秘書ミス・ロングビルことマチルダ・オブ・サウスゴータの就寝は遅い。 元々、秘書という業務自体、雇い主の怠け癖のせいで多忙な上。今日に至っては、この国の姫殿下が逗留する事になった為、余計な雑務が増えたのだ。 結局、仕事を終え一息つけたのは午後11時を回っていた。 「あーもう、いい加減にして欲しいよね。何だってあんなに仕事を溜め込むんだい。」 オスマンに対する愚痴を吐きながら、寝間着に着替えていると、サイドテーブルに置いてある<K-TAI>に着信が入る。 表示画面を見ると、相手はヒューだった。 一つ溜め息をついて<K-TAI>を取り上げる。 「こんな夜中に何の用だい、こっちは明日も早いんだけどね。」 【済まないな、悪いとは思ったんだけど、こっちも時間が無いんだ。】 「いいさ。それで?」 【実はとある事情でアルビオンに行く事になってな】 「ちょっと、本気かい?あそこは今、内戦中だよ?」 【知ってる、俺だってあまり気乗りはしないんだ。】 「なるほど、で?」 【信用できる土地の人間を紹介して欲しいんだが…】 らしくもなく口ごもるヒューに、疑念を抱いたマチルダは確信をもって、目的地を聞いた。 「ところでアルビオンの何処に行くつもりなのさ。」 【……ニューカッスルだ】 2人の間に沈黙が漂う。 やがて、マチルダの方から言葉が出てくる。 「本気かい?それをこのアタシに本気で言っているのかい。」 【…ああ、死にたいとも、死なせたいとも思ってないからな。なんなら貸しにしてもらってもいい。】 「へぇ…太っ腹じゃないか。」 【払えるものが無い以上しょうがないだろう。】 マチルダは何か考えているのか、暫く会話が途切れた。 そうして1分が経った頃だろうか、マチルダから答えが返ってくる。 翌朝、朝靄が未だ学院を覆っている時刻。 厩舎の前で出立の準備をする、人影があった。 「やあ、ルイズ。」 「おはよう、ギーシュ。」 「おや?ヒューはどうしたんだい?」 「ヒューは用事があるって、すぐに来るとか言ってたけど…、何ジロジロ見てるのよ。」 「いや、中々珍しい出で立ちだと思ってね。」 「ヒューからこっちの方が良いって言われたのよ。」 そう言ったルイズの服装は、魔法学院の制服の上にロングコートを羽織ったものだった。ただし、スカートは乗馬用のズボンに替えられており、ややもすると中性的な美少年にも見える。 ギーシュは今が早朝だという事を始祖に感謝した、ルイズのこの出で立ちは危険だ。元が凄い美少女なので、こういった格好もサマになるのである。もしこの姿をモンモランシーが見ていたらと思うと戦慄を禁じえなかった。 「へ、へぇ…そうなのか。しかし、女性にそういった野暮ったい服装をさせるというのはどうだろうね。 そういえば、マントはどうしたんだい?」 「あら、結構暖かいから、これはこれでいいと思うわよ?動きやすいしね。 マントはリュックの中、コートの上からっていうのも変だからしまってあるの。まぁ、考えてみれば平民に扮する事で、ある程度のトラブルは避けられるだろうし。」 「むむぅ、確かに…いや、そうすると貴族としての誇りが…」 「ギーシュ。私達は姫様の、いえトリステインの為にも、生きて帰らなければならないの。そんな時にプライド一つ捨てられなくてどうするの。貴方にとって、それがどうしても譲れないというのなら止めはしないけどね。 とりあえず、今からだと着替えに帰る時間は無いから、どうにかするのならラ・ロシエールに着いてからにしなさい。」 「ああ、道中よく考えて決めておくよ。」 その頃、ヒューは校舎裏でマチルダと会っていた。 当然、というかマチルダは不機嫌な顔を隠そうともしていない。 「悪いな、こんな事をいきなり頼んで。」 「いいさ、どうせあのお嬢ちゃんが絡んでいるんだろう?」 マチルダの言葉にヒューは苦笑で応じる。 その顔を見たマチルダは、溜め息を一つ吐くと懐から二枚の封書を出した。 「こいつを持って、ラ・ロシエールのキンバリーって商店に行きな、そうすれば大体の事には応じてくれるさ。 片方は仕送りの手形だからね、ちゃんと届けるんだよ?」 「分かった。伝言とか、あるか?」 「何て顔してんのさ、アンタらしくもない。特にないよ、あの連中との事はもう終わった事だしね。せいぜい頑張って誇りとやらの為に死んで来い、とでも伝えておくれ。 …ああ、そういえば言うのを忘れてたんで、ここで教えとくよ。レコン・キスタとやらの首魁はクロムウェルって司教なんだけどね、噂だと『虚無』を使うって話だよ。」 「『虚無』だって?」 与太話を気軽に言ったマチルダの言葉に、ヒューは聞き逃せない単語を聞いた。 「はっ、なんとも胡散臭い話さ。」 「そのクロムウェルっていう男は、どっかの王家の血を引いてるとか?」 「ん?ああ、ないない。ロマリア出身だって話だからね。」 「そうか…ありがとう、参考になったよ。」 「せいぜい、死なないように気をつけるんだね。帰ってきたら一杯奢ってもらうんだからさ。」 マチルダの言葉に後ろ手で手を振りながら、ヒューは朝靄の中へ消えていった。 「さて、もう一眠りするとしようかね。」 そう1人呟くと、マチルダも踵を返していく。 厩舎の前にヒューが到着すると、何やらルイズの怒号が聞こえてきた。 何事かと視線を向けると、人間大の生物に圧し掛かられているルイズがいた。横にはギーシュもいるのだが止める気配が無いことから、そこまで危険ではないのだろう。 朝早くから元気な事だと、感心しながら歩いていると。突風が吹き、ルイズに圧し掛かっていた生物が吹き飛ばされた。 吹き飛ばされた生物は目を回したのか、仰向けにひっくり返っている。 「ヴェルダンデっ!誰だっ!? 僕の使い魔にこの様な!」 「失礼、婚約者がジャイアントモールに襲われているのを、見て見ぬ振りは出来なくてね。」 ギーシュの怒りの声に答えるように、朝もやの中から羽帽子をかぶった伊達男が現れた。 しかし、その男が言った言葉で、ギーシュも怒りを鎮めざるをえなくなる。 「愛しい人を助けたいと思う気持、君も男なら分かると思うんだが。」 「う、確かに、使い魔の狼藉を止められなかったのは、僕の落ち度だ。」 「いや、使い魔を得たばかりの頃の気持は僕にも分かるからね、次から気をつけてくれるとありがたい。」 ギーシュの謝罪を笑顔で受け流した男は、被っていた帽子を取り、丁寧な礼を一行にする。 「魔法衛士隊・グリフォン隊隊長、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド子爵だ。 姫殿下より、君達に同行し護衛することを命じられた。君達だけでは、やはり心もとないらしい。しかし、隠密任務であるゆえ、一部隊をつけるわけにもいかぬ。そこでルイズの婚約者でもある僕が指名されたのだよ。」 ワルド子爵の自己紹介を聞いたヒューは「派手な男だ」と思いながら、自分の準備を整えていた。 「ワルド様…!」 倒されていたルイズが起き上がり、驚いた様子でワルド子爵を見る。 「久し振りだね! ルイズ! 僕のルイズ!!」 「はい、お久し振りでございます…」 頬を赤らめながら、ワルドに抱きかかえられるルイズ。 「ははっ、君は相変わらず羽の様に軽いな。」 「ワルド様、人がいます、恥ずかしいですわ…。」 「ああ、すまない。なにしろ久しぶりの再会だからね、思わずはしゃいでしまったよ。」 そう言いつつ、ルイズを下ろしたワルドは、ヒューの方を見ながら、ルイズに話しかける。 「ところで、ルイズ。彼等を紹介してくれないのかい?」 「級友のギーシュ・ド・グラモンと使い魔のヒュー・スペンサーです。」 ルイズが紹介を終えると、笑みを浮かべたワルドがヒューの元へ近付いてくる。 「君がルイズの使い魔かい? 噂は聞いてるよ、何でもあの“土くれ”から盗まれた品を取り戻したそうじゃないか。」 「どうだろうな。俺達が隠れ家に行った時にはフーケはいなかった。もしかしたら見逃してもらっただけかもしれない。」 「ふむ、確かにその可能性もあるか。しかし、謙虚というのは美徳だが、過ぎればただのイヤミになると思うんだが?」 「忠告どうも、せいぜい気をつけるさ。 ところでミスタ・ワルド、貴方の乗騎はどうするんだ?学院の馬を使うのかい。」 ヒューの質問に、不敵な笑みを返したワルドは口笛を吹いて、自らの乗騎…グリフォンを呼んだ。 空から降り立ったグリフォンに颯爽と跨った、ワルドはルイズに手を伸ばす。 「さ、どうぞ。レディ。」 「は、はい…」 数瞬躊躇したルイズだったが、ヒューから特に何も言ってこなかった為、ワルドの手を取りグリフォンに跨る。 「さあ、諸君!出発しようではないか!」 そう、号令を上げるとワルドとルイズを乗せたグリフォンは、飛び立って行った。 「やれやれ、派手で元気な子爵様だ。」 「何をしてるんだね、ヒュー早く追いかけないと!」 「別に急ぐ必要は無いだろう?」 「な、何を言っているんだ!早く行かないと子爵やルイズに置いて行かれるじゃないか!」 ルイズとワルドに置いて行かれると、焦るギーシュを横目にヒューは馬具をしっかりと固定する。 「急いだ所で、どうせラ・ロシエールで足止めを食らうんだ、俺たちは明日までに到着するように行けばいいのさ。」 「だから、どうしてそう!」 【落ち着きな坊ちゃん、今日中に着いたってどうせスヴェルの夜じゃ無い以上、フネは出ねえんだ。】 「あ。」 「そういうことだ、子爵殿が何を焦っているのか分からんが。俺達はなるべく体力を消耗せず、時間に遅れないようにラ・ロシエールに着けばいいんだよ。 まぁ一番の理由は、俺がまだ乗馬に慣れていないっていう事なんだけどな。」 「そういえば確か、馬に乗り始めてまだ1週間経ってなかったんだっけ。」 「そういうこと。じゃあ、行こうかギーシュ。」 男2人と魔剣1本という、色気も何も無い一行は、颯爽と飛び去った2人を追って学院を発った。 アンリエッタは出発する一行を学院長室の窓から見送り、祈っていた。 「彼女たちに加護をお与えください。始祖ブリミルよ…。」 隣ではオスマンが鼻毛を抜いている。 「見送らなくて宜しいのですか? オールド・オスマン。」 「ぬ、痛…、姫、見ての通り、この老いぼれは鼻毛を抜いておりますでな。おほう…。」 鼻毛を抜きすぎたのか、涙目になったオスマンの仕草に、アンリエッタは溜め息を吐きながら、首を横に振った。 「トリステイン、いいえ、ハルケギニアの未来がかかっているのですよ? 何故そのような態度を…」 「すでに杖は振られたのです、我々にできることは待つことだけ。違いますかな?」 「それは、そうなのですが…」 「なあに。彼ならばやってくれましょう。姫さまも、かの使い魔には会われたでしょう?」 「…ええ。」 ルイズの使い魔、ヒュー・スペンサー。自分達の常識から逸脱した知識を持つ男。 親友であるルイズの言葉によれば、ここハルケギニアよりも進んだ文明を持つ地から来たらしい。 「あの者の力はワシでも計りかねるほど。やれやれ、老骨には堪えますわい。」 「まあ、そのような弱気、オールド・オスマンらしくありませんわ。」 珍しくオスマンの口から零れた弱音に、心の余裕を取り戻したアンリエッタはマザリーニに相談する事柄について考えを巡らせていた。 (ルイズ、私も頑張ります。だから、きっと生きてまた会いましょう。) 魔法学院を包む朝靄は未だ晴れる気配を見せなかった。それはあたかも、今のハルケギニアの未来を暗示している様だと、麗しい王女は思うのだった。 前ページ次ページゴーストステップ・ゼロ
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登録日:2011/07/31 Sun 11 10 08 更新日:2021/12/02 Thu 21 01 44 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 Demolishor TF コンストラクティコン サイバトロン破壊大帝←第2の犠牲者 ショベルカー スカベンジャー ディセプティコン デバステーター デモリッシャー トランスフォーマー トランスフォーマーリベンジ ビルドロン ホイールボット 不気味な造形 化物 奇っ怪な変形 実写版TF 序盤の掴み役 怪物 油圧ショベル デモリッシャーとは、映画『トランスフォーマー リベンジ』に登場するキャラクターである。 所属:Decepticons/ディセプティコン コンストラクティコン 声:カルヴィン・ウィマー 巨大な油圧ショベル・O K/テレックス・RH400に変形する。 その形はかなり異形で、上下にキャタピラが変形したタイヤがあり、両脇にはショベルアームが変形した巨大な両腕、その中心に顔という、かなり化け物じみた形をしている。 0 ∥∋==∵==∈ ∥ 0 ↑こんな感じ。※あくまでイメージです。 変形元が変形元だけに身体の大きさも尋常ではなく、オプティマスが小さく見える程。 デモリッシャーの顔に取り付くシーンがあるが、オプティマスはその顔より小さいか同じくらいである。 スタッフからは「ホイールボット」の愛称で呼ばれており、キャストクレジットもそうなっていてややこしい。 また、同型にデバステーターとして合体する「スカベンジャー」がいる。玩具などでは主に非合体のヤツをデモリッシャー、合体できるヤツをスカベンジャーとして発売することが多い。 以下デモリッシャーの活躍 ネタバレ注意! 上海に潜伏していたディセプティコン達の纏め役で、序盤、ショベルカー形態で潜伏している所をNEST部隊に発見、襲撃にあう。 その戦闘の中で変形し、その異形の姿を現した。 その巨体でNESTの追撃を振り切りながら、上海の道路を走り抜ける。 その途中、オプティマスの奇襲を受け、顔を斬られ、脚ともいえるタイヤを破壊され転倒。工場に突っ込んだ。 まあ、そうだよね…… 脚を破壊され動けない所をNEST部隊とオプティマス達に包囲される。 その時オプティマスの「言い残す事はないか」という問いに、 『もうじき、ザ・フォールン様が蘇る!』 と、言い放った。 その後、オプティマスに頭を撃ち抜かれて破壊された。 劇中の登場は短いが、ド派手な変形、ド派手な戦闘、『ザ・フォールン』という単語の公開、と、見せ場はある。 しかしまあ、とどのつまり序盤の掴み役。 だが出番が少ないからといって贅沢を言ってはいけない。大暴れできただけ万々歳なのだ。 他のコンストラクティコンには単独変形しないのもいるし、中にはほとんど戦闘もせず逃げ回って真っ二つに裂かれた奴もいれば、ロボ形態もビーグル形態も出たのに台詞が全然ない奴もいるからな! デモリッシャーの戦闘シーンはリベンジの予告にも流れている。 まさかこんなインパクトある奴が、出番が序盤だけなんて夢にも思わなかっただろう。 ちなみに玩具版デモリッシャー(スカベンジャー)はいずれも特徴的なデザインを再現している。 リベンジ公開当時のボイジャークラス版は残念ながら自立不可能。一方でキャタピラ→タイヤをダミーでなく変形で再現している(*1)。 デバステーターに合体できるものは大型とEZコレクションで出たが、廉価版のEZは変形可能である一方大きい方は非変形。 EZはスカベンジャーカラーだが、デモリッシャーカラーも配布されている。 ちなみにEZの方は他のコンストラクティコンとセットで『トランスフォーマー ロストエイジ』の時に再販されている。 スタジオシリーズでは通常の大きさで合体と変形をするコンストラクティコンズの1体として、スカベンジャーが登場。自立も可能。大きさはリーダークラス。 ランページ→スキップジャックのように、今後、スカベンジャーの色替えでデモリッシャーが発売されるかもしれない。 追記・修正は体の上下に巨大なタイヤが取り付けられている方にお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] スタジオシリーズは一応自立できるぞ -- 名無しさん (2020-06-16 22 30 01) 名前 コメント
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流天(リュウテン) スペック表 正式名称 流天(リュウテン) 種別 地質調査用潜行重装車両 所属 『資本企業』『ヤナギカゲ重工』 全高 6.3m 全長 18.1m 全幅 4.5m 重量 254.9t 動力系 ヤナギカゲモーターズ製水冷式エンジン・DoubleTurbo、大型大容量バッテリー 最高速度 20km/h 推進機関 キャタピラ式推進システム 装甲 特殊合金製積層装甲 主武装 掘削用螺旋回転式削岩機 副武装 セグメント補強用セメント塗装装置、グレネード砲、対人機銃 乗員人数 約10人 その他 メインカラーリング:灰色 特徴 『ヤナギカゲ重工』が製作した地質調査用潜行重装車両。 先端部に付いている掘削用螺旋回転式削岩機……要はドリル状の機構で大地を掘り進めつつ移動可能。更にセグメント補強用セメント塗装装置により地下にトンネルを作成することが可能である。 その実態は敵オブジェクトや軍用車両の進行妨害、あるいは秘密裏に地下通路を作成するための特殊工作兵器。 敵ベースゾーン付近に地下トンネルを開通させて奇襲の足掛かりにしたり、地盤を穴だらけにすることで脆くし落とし穴のように罠を仕掛けるなどの工作を主目的として開発された。 弱点は地上では無力なこと。 念のため武装としてグレネード砲などはついてはいるがそれでも戦車相手には勝てない位の貧弱さである。 リュウテンとはサザエ科の別名、リュウテンサザエから取られた言葉である。
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ごきかぶり スペック表 正式名称 ごきかぶり 種別 静電気式解体戦車 所属 『信心組織』 全高 2.1m 全長 9.0m 全幅 5.0m 重量 40t 動力系 ディーゼルエンジン 最高速度 90km/h 推進機関 キャタピラ+静電気式推進 装甲 複合装甲 武装 対人パルスレーザー×1、12.7mm重機関銃×2、ヒートカッター付き高稼働アーム×6、大型コンテナマウント 乗員人数 1人 その他 メインカラーリング:泥濘迷彩 コンセプト 戦場の回収屋 特徴 戦闘が終了した戦場跡を徘徊し機械片などを這い回って集める戦場の回収屋。 機体横に3対6基存在するアームは広く稼働するため器用に動かせる他、大破した機体を解体することもできる。 そうして集めた金属片などを背中に積んで帰投し、再生炉に投入することで自国の資源とする。 戦場跡で残党や自国民ではない人間を見つけた場合は武装にあるレーザーや重機関銃などで対処する。 また積載量が多く、アームを備えているため戦場では弾薬パックなどを背負って支援行動を行うこともできる。 ちなみに見た目はのっぺりとしており、戦場を移動し続けるために速度を持ってもいるため、どこか虫のような印象を与える。 弱点 あくまで戦闘用ではない支援戦車のため、対装甲戦や対航空戦には非常に脆弱。 対人戦は並みの戦車程度の装甲は有しているため可能だが、本来の意図に沿わないため基本は行わないことが多い。